葬儀・葬式・告別式のマナー

葬儀(葬式)告別式のマナー

葬儀・葬式は厳粛な儀式です。葬式に参列(出席)するときには遅刻は許されません。とくに僧侶の読経中に入室するのは、もっともぶしつけな行為とされていますから、マナーとしてじゅうぶんに心得ましょう。

 

受付でのマナー

葬儀・葬式の出席者(弔問客)は、定刻よりも早めに出向き、僧侶の読経が始まる前には席に着くようにしましょう。

 

持参した香典は、受付で

  1. 「このたびはご愁傷(しゅうしょう)さまです。ご霊前(れいぜん)にお供え(おそなえ)ください」 とお悔やみの挨拶をして、香典の表書きが相手から読める向きにして差し出します。
  2. 芳名帳(ほうめいちょう)に自分の住所と氏名を記入します。芳名帳は、遺族が香典返しをする際の住所録になりますので読みやすくていねいに記入しましょう。受付がないときは、焼香の際に、ご霊前にお参り後、香典を供えます。このときも、表書きがご霊前に向くように差し出します。

 

お悔やみのことば

葬式でのお悔やみのことばは、故人との関係によって変わりますが、余計なことを言うと、かえって差し障りができてしまうことも考えられますので、手短かに平凡でありきたりの方が良いでしょう。

 

一般的なお悔やみの言葉
  • このたびはご愁傷(しゅうしょう)さまです。
  • 突然のことで…、心からお悔やみ申し上げます。
  • まだお若くていらしたのに、本当に残念でなりません…。
  • ご焼香をあげさせていただきたく、うかがいました。

注意!
葬儀(葬式)では、通夜と違って、喪主や遺族にお悔やみを述べないのが礼儀です。目が合っても黙礼程度にしましょう。また、生前の病状などをくどくど聞くことは、失礼ですのでとくに注意しましょう。

>>お悔やみの言葉・挨拶スピーチの文例

 

告別式の参列マナー

告別式にだけ参列する場合は、通知された時間内に伺い、到着順に焼香すればよいことになっています。しかし、葬式の参列者の人数によっては、葬式が予定よりはやく終わって、会葬者の焼香もひと通りすんでいる場合があります。そのような所でひとりで焼香するのは気まずいものですし、出棺の準備が始まってからでは失礼になります。逆に、葬式が長引けば、延々と待たされることになります。そうしたことも考慮して、告別式に参列するときは 「早すぎず、遅すぎず」 を心がけましょう。

 

なお、告別式は故人に最後の別れを告げる儀式ですから、霊柩車が火葬場へ向かって出発するのを見送るのが礼儀です。火葬場まで同行するのは、遺族から請われた人だけです。車の手配などもありますから、一般の会葬者が自分から申し出ることはしません。どうしても同行したい場合は、出棺直前ではなく、通夜の席あたりで早めに申し出ておきましょう。

≪メモ≫
1. 霊柩車を見送るときは、厳寒期以外はコートを脱ぎ、合掌して故人の冥福を祈る。
2.一般会葬者は、出棺を見送ったところで帰路につきます。仏式葬儀では、清めの塩が配られますから、帰宅したら玄関先で身を清めます。どうしても会社などに戻らなければならない場合は、喪服のままではなく、着替えてからにします。着替えができなければ、せめて男性はほかのネクタイを、女性はスカーフなどをあらかじめ用意しておくなど、喪服とわからないようにする工夫をしましょう。

 

香典の供え方/ 出し方

ご霊前の祭壇に供える時は、表書きが自分から読める向きにして供えます。受付で係りの人に渡す時は、係りの人が読める向きにして渡します。また香典のお断りがある場合は、無理に渡すことは控えましょう。香典は不祝儀袋にいれ、ふくさや風呂敷で包んで持参するようにします。これは不祝儀袋を汚さないというのがその主旨であるため、ハンカチで代用しても構いません。

注意!
香典袋に入れるお札は新札は避ける(死を予測して用意した印象を与える)ようにしましょう。もし新札しか手元に無かった場合は、一度折り目をつけてから香典袋に入れると良いでしょう。(お金も入れ忘れないように)

 

出棺時の喪主(遺族代表)の挨拶

乗棺がすむと、喪主か遺族代表が、外で待っていてくれた会葬者に感謝を込めて挨拶をします。喪主に代わって挨拶をする場合は、「故人の長男○○でございます。遺族を代表しまして謹んでご挨拶申し上げます」と、自己紹介をします。

出棺時(火葬場へ向かう前)
喪主の挨拶例

 

出棺に際しまして一言お礼のご挨拶を申し上げます。

 

本日は、お忙しいなかを、故○○○○の告別式にご参列くださいまして、誠にありがとうございました。おかげさまで、葬式ならびに告別式を滞りなくすませることができました。故人の生前中は、ひとかたならぬご交誼(こうぎ)・ご厚情を賜りましたことを深く感謝申しあげます。

 

今後とも、遺されました私どもに、変わらぬご厚情を賜りますようこころよりお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。本日は、長時間にわたり、最後までご会葬お見送りいただき誠にありがとうございました。

>>その他の出棺時の挨拶 文例へ

 

出棺の見送り

告別式でお焼香をしたあとすぐ帰っても構いませんが、できれば、出棺は見送るようにしたいものです。

 

火葬場までの見送り

火葬場までの見送りを依頼された場合は、できるだけご遺族の申し出に添うようにしましょう。しかし、どうしても時間がなくて断らなければならない時は、ていねいに事情を述べて断りましょう。頼まれなくても火葬場まで見送るつもりの場合は、前もって「火葬場までお供させていただきます」と申し出たほうが良いでしょう。突然参加すると、先方に迷惑がかかることもありますので注意しましょう。