公共のマナー
当たり前のことなのに、意外に守られていないのが、公共の場でのマナーです。本人が気づかないところで、知らず知らずに他人に対して迷惑をかけていることがあります。
乗り物/電車やバス
電車やバスに乗るときは、整列乗車が公共でのマナーです。列に割り込んで、われ先にと空いている席へ駆け込むのは、マナー違反というだけでなく、危険を伴いますから、厳に慎みましょう。ラッシュ時の電車やバスに座って乗りたいなら、1、2本やり過ごすくらいの時間的余裕をもって家を出ましょう。
車内でのマナー
- 脚をそろえて座る……脚をだらしなく広げたり、組んで座ると、隣の人に不快感を与え、立っている人の邪魔にもなりますから、できるだけひざを閉じて座りましょう。
- 荷物は棚かひざの上に置く……目の前に何人もの乗客が立っているのに、平然と荷物を座席に置いている人がいます。立っている人からは、「席を空けてください」 とはなかなかいいにくいものです。ひとりでも多く座れるよう、荷物は棚にのせるなり、ひざの上に置くなりして、席を詰めて座りましょう。
- 高齢者には席をゆずる……お年寄り、体の不自由な人、妊婦などには、優先席でなくてもすすんで席をゆずるべきです。寝たふり≠ナごまかすより、さっと立ったほうが、自分もはるかに気持ちがよいはずです。
- ぬれた傘の持ち方に注意……雨の日のぬれた傘は、ほかの人にしずくがかかったりしないよう、きちんとたたんで、自分の側へ寄せて持つようにしましょう。ビニールの傘カバーに入れるのがベストです。
- 場所をわきまえる……車内で化粧したり、床にしゃがみこんだりする人が目に付きますが、どちらもルーズな印象を与えます。時間がない、疲れているなど、それぞれ理由があるにしても、自分の部屋と公共の場の区別くらいはつけたいものです。
エスカレーターでのマナー
本来、エスカレーターは、乗った人全員を同じスピードで移動させるものです。エスカレーターのスピードが遅すぎるというのであれば、乗っている人の間を縫っていくようなことはしないで、階段を利用すべきです。人口の多い都心部では、駅などのエスカレーターを利用するときは、急ぐ人が歩いて上れるように片側をあけるのが、マナーとして定着しつつあります。
関東では左側に寄って乗るのが一般化していますが、関西では逆に左側をあけて乗るところが多いようです。
エレベーターでのマナー
エレベーターが込み合っていると、奥に乗っている人は操作ボタンに手が届きませんから、ドア近くに乗った人が降りる階を聞いて、ボタンを押してあげましょう。乗り降りに時間がかかるような場合も、ドアの近くにいる人がボタンを押して、待ってあげましょう。
エレベーターにかぎらず、玄関の出入口や電車の乗降口も、出る人が先、入る人があとが基本です。お互いに気持ちよく利用できるように、基本的なマナーは身につけておきたいものです。
携帯電話を使うときのマナー
電車などに乗ると 「携帯電話の使用を控えてください」 という内容のアナウンスがあります。本人には便利でも、周囲にいる人間には携帯電話の呼び出し音や話し声は耳ざわりです。電車やバス、映画館などのなかでは電源を切っておくのがエチケットです。
緊急の用事でどうしても必要という場合は、口元を手でおおい、小声で手短に話しましょう。役所などの公共施設やホテルのロビー、レストランなどでも、外に出てかけるようにしましょう。病院、飛行機の中やそのほか禁止されているところでは、必ず守るようにしましょう。
子供連れの外出
子供が乗り物のなかで騒いだり、ゴミを投げ捨てたり、公園のベンチなどを汚したりしても、日本では 「子供だから」 と大目に見がちですが、これは誤りです。
たとえば、電車のなかでは、できるだけ前を向いてきちんと座らせます。どうしても車窓のほうに興味を持つようなら、後ろ向きもしかたありませんが、シートを汚さないために靴を脱がせましょう。小学生以上の子供には、席をゆずることも教えましょう。外食するときは、ファミリーレストランタイプの店以外は、できるだけ子供連れは避けたいものです。
また、子供連れの病気見舞いなどは、患者やまわりの人たちに迷惑がかかる場合がありますので、じゅうぶん注意が必要です。
自転車は決められた場所に止める
大都市近郊の駅前周辺の違法駐輪は、どこでも頭痛のタネのようです。自治体で撤去作業なども行っているようですが、いっこうに解消されません。歩道に自転車を止めれば通行の邪魔になりますし、商店の前に止めれば営業妨害≠ノもなります。
「少しくらい」 「自分の一台くらい」などという非常識な考えは捨て、決められた場所に止めるようにしましょう。