食事のマナー
世界を代表する食事のマナーといいますと、日本食(和食)・フランス料理(西洋)・中華料理(中国)の三つです。
和食/日本食のマナー
和食には、本膳(ほんぜん)、懐石(かいせき)、会席(かいせき)料理があり、西洋料理でいうフルコースにあたるものです。
- 本膳料理 … 日本料理の代表的なもので、足つきのお膳にのせられ、一の膳から与の膳、あるいは五の膳まであります。
- 会席料理 … 本来、武士や貴族が宴会でお客様をもてなすために出した本膳料理がルーツ。現代において、料亭や旅館や結婚披露宴などで出される和食フルコースはほとんど『会席』です。別名「宴会料理」でもあります。
- 懐石料理 … 「茶懐石」(ちゃかいせき)とも呼ぶこともあり、茶道の席でお茶を飲む前にふるまう料理のこと。懐石料理のマナーは、茶道の各流派によって厳しく決められていますが、普通の料理店で出されるものは気軽に楽しめるようにアレンジされたもので、茶道の心得がなくても大丈夫です。本膳料理を簡略化したものです。
いただきはじめる場合は、食事マナーとして、主人側の挨拶が済んで、「どうぞ」と進められてから頂くようにしましょう。足つきのお膳のときには、姿勢が悪くならないように気をつけ、小鉢などは手に持って食べてはいけません。器を持つときには箸を持ちながら片手で取り上げないようにし、両手で取り上げ、左手に移して器を支えましょう。
●箸のタブー … 迷い箸、寄せ箸、くわえ箸、ねぶり箸、刺し箸、渡し箸
フランス料理/西洋料理(洋食)のマナー
フランス料理、西洋料理の正式な席でのフルコースでは、正しい食事のマナーとして、ナイフやフォークは使用する分だけ並べられ、基本的にはそれを外側から順番に使っていけば良いでしょう。ただ、ところせましと並べられていますから、隣の人のものを誤って使うことがないように注意が必要です。
例えば自分のグラスが右側に並べられているのを、それを知らずに左の人のグラスをとってしまうことがあります。そのようなときには、左の人に迷惑をかけますので、あわてずにウェイターを呼んで、新しいグラスをセットしてもらいましょう。
このようなフルコースの食事マナーではなく、レストランなどの場合は一品ごとにナイフとフォークがついてきますので、それを使っていけばよいでしょう。ナイフやフォークを持つ際には背に人差し指をかけ固定します。 ナプキンは、ウェイターが料理を運んで部屋に入ったころに、ゆっくり手に取るくらいが理想です。
ナプキンの折り目は手前に来るようにひざの上に乗せ、汚れを拭くときは、二つ折りの内側の隅を使います。口元についた汚れなどを拭くものですが、口紅や料理の汚れをベタベタつけ過ぎるのも見苦しいものですのであまり汚さないようにしましょう。だからといって、わざわざハンカチを出す必要はありません。最初からセッティングされているフルコースでは、それを崩さないようにしましょう。
中座するときには、ナプキンを軽くたたんでイスの上かイスの背もたれにかけます。食事が終わって退席するときは、軽くたたんでテーブルの上に置きます。食事の際に皿を持ち上げることはタブーです。
また、フォークやナイフなどを間違って落としてしまったり砂糖などが遠くにある場合には、立ち上がったり大きな声を出したりせずウェイターを呼びましょう。視線を合わせて、軽く手をあげる程度でウェイターは来てくれます。
片手でグラスを持ったまま、もう一方の手で料理を食べることは、マナー違反ですので注意しましょう。
中華/中国料理のマナー
中華(中国)料理の注意するべき食事マナーは、円卓は奥が上座で(主賓が座る)、入り口付近が下座(主人側)になります。回転台は右回りが基本となります。右回りの回転台を反対に回すことは絶対のタブーです。
最初の料理は、主賓から順に渡り、主賓が手をつけてから食べ始めることになっています。料理は人数分出てきますので、取りすぎに注意しましょう。
取り皿に取った料理を残さないで食べることがマナーですので、取り皿は一品一皿で使います。ちりれんげは、スープなどの汁ものに使いますが、受け皿代わりにも使用します。中華(中国)料理では、取り皿はテーブルに置き、持ち上げてはいけないことになっているからです。