お見合いのときのマナー
見合いの準備・当日のマナー
最近では、見合い結婚のスタイルも多様化してきていますが、基本的なマナーやタブーを心得ておきましょう。
見合いの最近のスタイル
昔は食事のしかたで親のしつけがわかる≠ニいわれ、見合いも食事をしながら行うのが慣例でしたが、最近では、双方がゆっくり話ができることに重点をおき、お茶とお菓子などですませるスタイルが増えています。
また、結婚が家と家との結びつきを象徴していた時代は、見合いには必ず親族が付き添って、相手を客観的な目で観察していましたが、今は仲介者(世話人)と本人同士の3人で会うスタイルが多くなっています。
付添い人の同席の有無については、本人たちの意見を尊重して決めると良いでしょう。同席の際は、仲介者が間に立って、双方の人数が同数になるよう調整します。
見合いの日時と場所
見合いの日時は、仲介者(世話人)が、本人たちから日時や場所の希望を聞いてから席をセッティングします。とくに休日の午後など、双方が集まりやすい日時を選びましょう。
一般的に、見合いの時間は、2〜3時間が適当で、相手の人柄を把握するには、それくらいの時間は必要でしょう。
注意
休日の昼食や夕食の時間帯は混雑しやすいですから、午後2時過ぎのティータイム
がおすすめです。双方の都合上、夕方から始める場合には、落ち着いて話せる場所
を選び、遅くても、8〜9時ごろまでには終わらせるようにしましょう。
見合いの場所は
- ホテルのラウンジやレストラン、喫茶店などが一般的。
- 仲介者(世話人)の自宅で行うケースもあります。
あまりに格式の高い料亭や高級レストランなどは、とくに若いふたりが緊張してしまうでしょうから、できれば避けたほうが無難です。
見合いの服装
- 女性は、上品なワンピースやスーツ。会場が和室の場合には、フレアースカートが便利です。
- 男性は、きちんとしたダークスーツ。下のボタンはひとつはずしましょう。また、ネクタイは派手すぎないように注意。
- 仲介者(世話人)や付添人は、見合いする本人たちよりも、控えめな服装にしましょう。
初対面の挨拶のながれ
- 仲介者(世話人)は、指定の間所に約束の時間より30分前に入り、本人たちを待つようにする。
- 本人たちが、仲介者より先に到着した場合は、レストランならば、店の外で待ちます。もし、店の係員に席へ案内されたときは、入り口に近いほうの下座に着いて静かに待ちましょう。
- 全員がそろったら、洋室の場合はイスから立ち、和室の場合は座布団からおりて、仲介者の紹介を受けます。
- 仲介者は、一般的には先に男性を女性に紹介し、つぎに女性を紹介します。
- 仲介者に紹介されたら、相手の目を見て 「はじめまして」 と会釈をし、「○○でございます」 と自己紹介をして、ていねいに頭を下げます。
- 本人同士の自己紹介が終わったところで、仲介者は付添人についても軽く紹介し、それぞれ着席します。
注意 初対面の挨拶は明るくていねいに振舞うことが大切です。
釣書(つりがき・つりしょ)の書き方
見合いに必要な釣書の書き方は、自分自身を相手に伝える唯一の身上書(PR資料)ですので、丁寧に書くようにしましょう。また、見合い用の用紙は、一般的な書類とは異なるため、白無地の上質な便せんに自筆の縦書きで記入することが基本です。筆記具は、筆・万年筆・ボールペンを使用します。本人がどうしても字を書くことに自信がない場合には、身近な人の代筆でもかまいません。
- 住所
- 氏名
- 生年月日
- 学歴 (○○中学卒業後から最終学歴まで詳細に記入)
- 職歴 (会社名だけでなく、配属先・転勤先・勤務年月など詳細に記入)
- 取得免許、資格 (自動車免許や英検など詳細に記入)
- 趣味
- 特技
- 宗教
記載項目はつぎのとおりで、わかりやすいように書きましょう。
仲介者(世話人)の気配り
- 仲介者(世話人)の役割は、進行係と接待係を兼ねていますので、事前に本人たちの資料によく目を通しておき、会話がうまく運ぶように配慮しましょう。
- 話題は、ふたりの仕事の内容や趣味などを中心にします。また、会話がとだえたときなどのために、ふたりの共通の話題を用意しておくようにしましょう。
- お茶や食事が運ばれてきたら、 「どうぞ冷めないうちに」 とすすめます。
- 1時間ほど経過して、ふたりの会話がはずんでいるようでしたら、仲介者はタイミングをみて、付添人とともに席をはずすようにしましょう。
本人たちの気配り(ふたりだけになったとき)
- ふたりだけになった場合は、急になれなれしい態度をとったり、相手の収入や財産などについての露骨な質問は避けるべきです。
- お互いに意気投合したときは、つぎに会う約束をしてもかまいません。その際は、仲介者にかならず報告するようにしましょう。反対に、相手が気に入らないからといって、その場ではっきり断ったり、すぐに帰るようなことは慎みましょう。
見合いの費用とお礼
見合いの費用は、見合い当日の支払いは仲介者(世話人)に任せて、後日のお礼に出向いたときに渡すと良いでしょう。金額は、交際へと発展した場合は、実費のほかに3〜5万円、不成立の場合にはお礼として 1〜2万円包むのが一般的です。熨斗(のし)袋に赤白の結び切りの水引をかけ、表書きは 「御礼」 「謝礼」 とします。
見合いの際の主な注意点
- 席に着くときや食事の際は、仲介者にすすめられてからにする。
- 宗教や政治、思想などを話題にしない
- 相手の財産などについて質問しない
- 相手の身体的なことに関して質問したり、話題にしない
- 自分 (身内) のことを自慢しない
- 付添人は本人たちより多く話さないようにする
見合い後の返事など…行動のながれ
- 見合いが終わって帰宅後、その日のうちに仲介者へお礼と報告の電話を入れます。その際は親もひと言お礼を述べるようにしましょう。
- 交際をするか否かの返事は、2〜3日以内に、遅くても1週間以内に伝えるようにします。交際を希望する場合は、一方的な印象にならないように、「○○様さえよろしければ交際させていただきたいと思います」 のように、先方の意向を考慮した表現にしましょう。
- 見合いのときに、相手とつぎに会う約束を交わしてきた場合は、それが承諾の返事になりますが、仲介者にもその旨をきちんと報告するのが礼儀です。
交際を断る(辞退)断られたとき
交際を辞退したい場合は、相手の気持ちや仲介者の立場を考慮して、謙虚にこちらの意向を伝えましょう。
上手な断り方の一例
- 「とてもよいお話なのですがあまりにもご立派な方で、わたしには過ぎたご縁ではないかと思いますので、このたびの話は辞退させていただきたいのですが…」
- 「書類を拝見させていただきましたが、私には向かないように思われますので、このたびの件は白紙に戻していただきたいのですが…」
- せっかくお世話いただいたのに心苦しいのですが、じつは先日、上司からお見合いをすすめられまして…」
本人がいいにくいときは、手紙で伝えたり、親が仲介者宅を訪問してお断りしても良いでしょう。反対に断られた場合は、仲介者に執ように理由をたずねるようなことは避け、お礼を述べて、早めに気持ちを切り替えるようにしましょう。いずれの場合も、相手方の写真・資料などをそっくり仲介者に返却しましょう。引きつづき縁談をお願いする場合は、「またよい話がありましたら、ご紹介をお願いいたします」 とあらためて依頼するようにしましょう。
交際後からプロポーズまで
交際を始めたら、2〜3か月以内に、遅くとも6か月以内には、結婚の意思があるかどうか、結論を出すようにしましょう。その間は、仲介者にときどき連絡をして、自分の気持ちなどの状況を伝えるようにしましょう。結婚の申し込みは、仲介者を通さずに、本人に直接申し込んでもかまいません。プロポーズを受けたほうは、できるだけ早く返事をしましょう。お互いの意思が固まったら、ふたりそろってそれぞれの家庭を訪問し、家族の承認を得るようにしましょう。
注意
仲介者のところへ、ふたりで挨拶に伺いますが、その前に、結納(婚約式)や結婚式での仲人もお願いするかどうかを決めておきましょう。