お七夜・お宮参り・お食い初め
内輪のお祝い事として、生まれた赤ちゃんの成長に合わせ、お七夜・お宮参り・お食い初めという伝統行事があります。それぞれの行事に良き思い出として家族でお祝いしましょう。
お七夜〜命名書/生後7日目に名前をお披露目
生後7日目の夜を 「お七夜( おしちや)」 といい、この日までに名前を決めて披露します。ちょうど母子の退院のころにあたりますから、退院祝いを兼ねて内輪でお祝いします。命名書は、父親が半紙の中央に毛筆の楷書(かいしょ)で 「命名○○」 と名前を書き、その左側に生年月日を記します。命名書は市販品でもかまいません。(場合によっては、達筆な方に代筆してもらうこともあります)飾る場所は、正式には神棚や床の間ですが、部屋の正面の鴨居(かもい)やベビーベッドのそばでも良いでしょう。
21日目を過ぎたら、床上げ(とこあげ)といって、命名書をはずし、へその緒といっしょに神棚や仏壇、あるいはタンスの引き出しに納め、子供が成人するまで大切に保管します。最近では、記念として、赤ちゃんの足形や両親の愛情メッセージ(感想など)を書いた文章なども添えての保管が多くなっています。
略式の命名書
名前と続柄を書くのが慣例ですが、夫婦ふた
りの子供ですのでふたりの名前と続柄を書いてもよいです
お宮参り〜神社/初穂料(はつほりょう)
お宮参りは、赤ちゃんが生まれて初めて土地の氏神様(うじがみさま)に詣(もう)で、氏子入りする儀式、「産土神参り(うぶすながみまいり)」 ともいいます。赤ちゃんが無事に成長していることに感謝し、幸福と長寿を祈願します。参拝の時期は、男の子は生後31日目、女の子は32日目とする地域が多いようですが、最近は1か月を過ぎた頃の天候が穏やかな日を選んで行うのがふつうです。お参りは、遠方では母子に負担がかかりますので、地元の神社が良いでしょう。
≪メモ≫
お宮参りは、神殿でおさい銭をあげて拝礼するだけでもよいのですが、祝詞をあげてお祓いを受けることもできます。その場合、あらかじめ社務所に申し込んで日時を予約しておきましょう。お礼は、のし袋に赤白の蝶結びの水引をかけ、「初穂料」 「玉串料」 と書き、その下に赤ちゃんの名前を記します。金額は、お祓いを申し込むときに確認しておきましょう。「お志で結構です」といわれたら、三千円〜五千円程度を包みます。
お宮参りの服装
赤ちゃんは白い内着(うちぎ)を着て、その上に男の子ならのし目模様、女の子なら絵羽模様の祝い着をかけて、父方の祖母が抱き、母親が付き添うのがしきたりでした。最近は、外出用のベビー服を着せて、両家の祖父母と親子でお参りすることが多いようです。
母親の服装は、訪問着か付け下げに袋帯、赤ちゃんを抱く祖母は、色無地か鮫小紋、父親はダークスーツです。最近では、親子3人がお参りすることが多く、服装も赤ちゃんはベビー服、両親はスーツというように簡略化されてきています。
お宮参り/お祝いの贈り物やお祝い金(訪問された側)
お宮参りの帰りに親類や知人を訪問し、元気な赤ちゃんのようすを見てもらう習慣もあります。訪問された家では、魔よけの意味で、でんでん太鼓や犬張子を贈るものとされていましたが、お菓子やおもちゃでもかまいません。
贈り物の用意がなければ、紅白の蝶結びののし袋に、お祝い金として表書きを「お祝い」「祝御宮参」「祝初宮参」「玩具料」「おもちゃ料」 と書いて渡します。お祝い金の金額は五千円〜1万円が目安です。
また、時期が出産祝いと重なりますので、基本的に出産祝いを贈っていれば、お宮参りのお祝い金やお祝い品は不要でもかまいません。
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お食い初め
お食い初め(おくいぞめ)とは、赤ちゃんが一生食べ物に困らないことを願って、尾頭(おかしら)つきの魚や赤飯、吸い物などの膳を用意し、食べさせるまねをする儀式です。別名「箸初め(はしぞめ)」 「箸ぞろえ」 「歯固め(はがため)」 ともいいます。祝い膳には、歯が丈夫な子に育つようにとの願いから、小石を添えることもあります。祝う時期は地域によって異なりますが、生後100日前後が多いようです。親族のうちで長寿の人が養い親(食べさせる役)を務めるのが習わしです。
しかし最近では、離乳食を始める記念の日として、家族だけか、祖父母を招いて簡単にお祝いをするのが一般的です。ひとりずつ赤ちゃんを抱いて箸をつけさせ、写真に収めると良い思い出になります。食器は正式には漆塗りのものを用いますが、これから赤ちゃんが使う離乳食用の食器でもかまいません。お食い初めの祝い膳の内容は、鯛の尾頭つき・小さめの握り飯2つ・吸い物・うめぼし5個・小石2個・紅白のもち5個(白3赤2)です。
赤ちゃんの服装は、これまで着ていた白い産着を色物の晴れ着に着替える「お色直し式」 を行う習わしもあります。
お食い初め メニュー
「季節の旬のもの」 を中心に、各地方で作られる、おめでたい食べ物を使うとよいでしょう。
お食い初め メニューの一例
別の大皿(陶器でも漆器でもかまいません)に鯛の尾かしら付を用意します。(伊勢えびでも結構です)
それぞれの器と盛り付け例
・写真1 「めし椀」
赤飯が普通ですが、季節の栗ご飯・豆ご飯などでもよいでしょう。
・写真2 「汁椀」
たとえば信州木曽では、「つぼつぼ」という汁物や「おおびら」という汁物がありますが、
そのような地域のおめでたいもので結構です。また、豆腐となめこ汁やよもぎやごぼうな
どの季節感のある汁物でもよいでしょう。
・写真3 「お平椀」
おもに煮物や和え物など。春でしたら、たけのこやふきなど、秋でしたら里芋や豆類など
です。
・写真4 「つぼ椀」
おつくりや焼き物を盛り付ける。
・写真5 「高つき」
歯固めの石を盛り付けてください 。
お食い初めのお祝い
お食い初めのお祝いを贈るときは、「御食初祝」 「箸そろえ」 と表書きをして、赤白の蝶結びの水引をかけます。